「名月をとってくれろと泣く子かな」 一茶
今年の中秋の名月は、翌日のスーパームーンとも重なり、手の届きそうな程の
大きな月が見られました。
さて、月を愛でるという風習は古くから行われており、庭園文化にも見られます。
桂離宮は古来より月の名所として知られ、「月桂」の故事から名付けられたと言われています。
古書院の月見台から名月を眺め、観月の茶事である月波楼では、池の水面に映る月を観照します。
大覚寺大沢池では、嵯峨天皇が宮廷遊びとして舟を浮かべ月見を楽しんだそうです。
高台寺の偃月池には、建物を結ぶ廊下の中央に観月台を設けています。
夜に月を眺めて楽しむための造りとなっているのです。
銀閣寺には洗月泉、銀沙灘、向月台といった月を観るための意匠がされています。
東山の月待山に登る月を白砂きらめく向月台から愛でます。
白川砂の銀沙灘は月光を反射し、波の趣きをみせます。更に月光は銀閣を照らします。
お月見というテーマで庭を見るのも楽しいものです。
お月様のきれいなこの秋に、月光に照らされた庭園に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
㈱植藤造園 ブログ担当者